――現場職人サイドから提案できる
肌で感じる部分はやはり社長、会長の男気っていうところですかね。普通ですと機械を選ぶのは会社主導で選ぶんです。セイコーは従業員の方に機械の選定をさせてくれるんです。例えば「こういう仕事をやりたいからこういう機械が欲しい、導入してくれ」と言うと、まあいいよと一つ返事ではいかないと思いますけど、こちらとしてもこういう仕事をやりたいってことに対して社長の考えとか会社の考えが一致すればその機械の導入にあたっていけるっていうのもあります。あとはやはりそういう面では懐が深いのでこっちとしても提案しやすいです。何でもかんでもこれは駄目じゃなくて、まずは職人サイドの、現場サイドの意見も聞いてくれます。
――社長も意見を聞いてくれる
自由にやらしてくれるっていうところまではいかないですけど、意見を聞いてくれます。やはりこちらもそういうことで多額な金額を課してもらっていますから会社の方に貢献しなきゃならないですから、そこで結果を出してやるっていうのが自分らの製造部のベストな形なのかなと思いながらやってます。とにかく話を聞いてくれます。
――製造部として働きやすい環境
自分たち製造部の人間が動きやすいように、仕事できやすいような環境を作ってくれるってところに関してはすごいありがたいです。振り返ってみればそれだけ10年もセイコーにいるということはそういう面がある、自由にやらしてくれるというところが一番ですね。言える空気というか言いやすいという時点でお互いに信頼関係があるんでしょうね。社長の方からも現場の人間に対しては信頼を置いてもらっているのかなと思いながらやっています。
――職人に新しいチャンスをくれる会社
私も年齢も年齢ですから、他の会社に転職というのもやっぱりリスクも高いです。多種多様のいろんな機械があり、自分も初めてセイコーに入社した時に摩擦圧接という言葉なんか聞いたこともなければ見たこともない「これ一体何よ?」普通金属と金属を合わせるのって溶接じゃないのかっていうイメージだったんです。こういう技術があるんだ、ましてや転造盤やポリゴンなんていう機械も初めて、こうやってねじ切るんだみたいなことがあったので、やはりそういう面ではいろんな機械もありますし、「こういう仕事をやりたい、ああいう仕事をやりたい」という投資をしてくれるんでやれるチャンスと環境があります。
――今後のセイコーでの展望は
これからの人の指導を、自分の積み重なってきた引き出しを次の若い人たちに教えればいいかなと思っています。自分もここで立ち止まらないでいろんなことにチャレンジしていってそこで培ったノウハウを下に教えていければいいのかなと思っていますね。自分よりまだまだ職歴が長い方がいっぱいいますんでその人たちの分までと言うのもちょっとおかしいかもしれないですけど、やっていければ思っています。
――幅広い年齢層の先輩方の経験を聞ける
一番長い人でもう80歳を超えてる方もいますんで、そういう人と一緒に仕事ができるっていうのもなかなかないと思います。幅広い年齢層でいろんな人の、先輩の話を聞いてみて、「この人はこういうふうに考えてんだ」この先輩が今までこういう経験をされてたんだみたいなことも、その人の歴史を知るっていうのも大変面白いと思います。